『病巣』

序章
今思えば あれは欠陥部位などではなかったのだ
壊れているのは確かだった だから 欠陥だと思った

しかし違った あれは癌 いやもっと異質な漠然としたモノ
そして明瞭な異常性をもっていたモノ

そうか あれは        『病巣』

そう 異常なものが生まれ出ずる所であったのだ

今の今になって気づくとは 我ながら愚かしいことだ
所詮 私は始めから何も分かってなどいなかった 一つも理解していなかったのだ

『これ』が『何』であって、『何』ではないのか 全くつかめていなかった

いまさら後悔はすまい もはや我が身は この大地に溶け行くのみ、、、、、、、、