ARMORED CORE V

以前まとめて書くといってたACVについて。

今作、その魅力的な内容について事前にUstreamの放送にて随時伝えられてきていて、ユーザー側の期待も高まっていく中、βテストでの反省をゲームに生かすべく発売を延期しながら完成した作品なわけです。
私もACVには大変期待していたユーザーの1人で、ACシリーズは大好きなのでもちろん購入しました。(AC4 ACfAはゲーム性に慣れずクリアに至っていませんし、どちらかはたしか買ってません。)

事前に伝えられていた通り、ゲーム性も洗練されて、よりロボットらしくそしてリアリティのある戦術的な戦いが求められていくような仕様となっていて、基本的なゲームシステムはかなり面白いと感じました。
ガレージのカスタマイズ性であったり、ACの肩ハンガーを利用した武器持ち替えもロマンが溢れていて、熱くなれます。

しかし、過去最高のボリュームと銘打っていたものの、ミッション数・ミッション工程としてのボリュームはあるものの、ストーリーのボリュームとしてはやや物足りない。
ストーリーミッションとしては濃密な10ステージほどが存在するが、あとは80を越える単純なオーダーミッションの繰り返しとなっていて、一応オーダーミッションにもストーリーは付いているが、そのほとんどは「この種類の敵を倒しに行く、以上」というもので、どういった経緯でなんのためにその敵を倒すのかという目的に欠けており、達成感も少ない。
これはいわば水増しではないかと思うほど。過去最高のボリューム、ではなく過去最高のミッション数且つ過去最低の内容量なのではないか。

シリーズを通して、ミッション前のブリーフィング要素があったのだが、それを廃した結果ミッション数を増やせたということなのだとしたら、それは価値の半減でしかない。

しかして、今作の魅力はなんといってもオンラインを通しての対人戦・領地戦である。
脚部によって戦術・戦略に変化がありレーダーがなくなりオペレーターに取って代わったことにより情報戦の重要性も生まれた。
「戦い」としてはより高いレベルのものを繰り広げられるわけである。
しかし、βテストの反省を生かしてオンラインシステムを改善したはずが、発売からしばらく不具合が続く。領地戦のマッチングが上手くいかない、決戦ミッションも対戦相手が見つからずにずっと待機状態。などといった不満が噴出した。

さらには、対人を見越した要素として3つの属性が導入され、武器成長システムによりその流行り廃りも移り変わるだろうと言われていたが、防御の面としてはその多くを脚部に割かれる為、この脚部ではこれ以上この属性防御を上げられない、という限界値が生まれてしまい(基本的に脚部のカテゴリで防御のバランスは固定)、攻撃の面でいってもガトリングやショットガンが協力すぎてほとんどのプレイヤーの武装がそれ固定に近い状態になってしまった。(この2武装はKE属性にカテゴライズされているが、そのKE属性の防御力を高めても問題ないほどの威力を発揮している。)
この点に関しては、調整することが決まっているようなので、詳しい続報が待たれる。アーマードコアVプレイヤーズサイトに注目しよう。

オンラインで遊ぶゲームというのは、どこもそうだと思うのだが、発売直後がアツい。開始で存分に楽しんだユーザーは、そのまま継続的にオンライン環境の中で楽しんでいく。
しかし、一度その流れが絶たれるとオンラインユーザーは物凄い速度で離れていくのだ。(近年ではFF14の失敗が記憶に新しい、こちらは今新生へ向けて復活をしていってる途上であるが)
同社のDARK SOULSというゲームもオンラインで楽しむことを重要視して設計されたが、オンライン環境がなくとも十分に楽しめる内容を整備していたことにより、その人気が衰えすぎることはなかった。

しかし、アーマードコアVの場合は、チームでの戦いがメインであることから仲間内の士気・やる気が削がれてしまうと、なし崩し的に全員の士気が下がり、誰もやらなくなってしまう。事実、私の仲間内でいまだにACVをしっかり楽しんでいる人間はほとんどいなくなってしまった。
基本的にメンバーが揃わなければ、戦いには勝てない。5対3などともなってしまうと、数の利はなかなか覆せるものではない。

よって、個人戦、フリー対戦あるいは傭兵という望みに賭けることになっていく。これでオンラインを楽しんでいると言えるのかは、私には分からない。結局、傭兵も味方との通信は不可能であるし、前シリーズの対戦・オンラインプレイ形式と変わらないものとなってしまう。

非難の声ばかりとなってしまったが、事前の宣伝で大きく期待を煽られてしまったせいか、発売からの落ち込みには正直シリーズファンとしても納得できるものではない。
せめて、オフラインでも楽しめるミッションのシナリオボリュームがあれば、、、と思う次第である。

しかして、武器の威力などのステータス調整が続けられていけば、対戦の武装テンプレートぶりも改善されるはずなので、フリー対戦という望みはまだある。
戦闘速度やブーストチャージ・壁蹴りといったシステムは本当に素晴らしいもので、操作感はシリーズでもダントツの出来であると私は思っているので、今後の調整によって再び楽しめることを私は祈っている。
細かい作りこみもあって、ロボットを動かすという基本趣旨でいえば、今作は至上の一作であると思う。その点は間違いない。